スガ家の旦那

2019年4月から夫婦で世界放浪旅してます

JMT-Day9-10

8月10日 day9 ディアクリーク〜フィッシュクリーク

 

夜中の3時ごろ寒くて目が覚める。

なんとかもう一度寝ようと頑張るも、中々寝れないまま時間は過ぎていく。

防寒対策をもうちょっとして寝れば良かった。

寒くて寝袋から出る気にもならない。

寒くないポジションはないかと寝返りを繰り返す。

寝たのか寝てないのかよく分からないまま気づいたら7時過ぎていた。

 

外が明るくなってきていたのでどうにかテントから出る。朝から火を起こして暖をとる。

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桃もテントから出てきた。同じく寒くて寝れなかったらしい。

コーヒーを飲んで、朝食のインスタントラーメンを食べる。

少し暖まってきたところで、サイトに日が差し始めた。こうなると一気に活動出来るくらいの暖かさになる。太陽様様だ。

 

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いつも通りテントを乾かしつつ、撤収。

いつものんびりし過ぎなのか気づけば9時だ。

 

明日はシルバーパスという大きいパス越えがある予定なので、なるべく近づいておきたい。

予定ではパープルレイクまで7マイル程だったのだが、目的地を伸ばして出来たらフィッシュクリークまで行こう。と出発。距離は倍ぐらいになるが頑張れば行けるはずだ。

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今日も森林浴しながらスタート。

太陽は暖かいが空気はひんやりとしていてとても歩きやすい。歩いてるとちょうどいいが止まると風が冷たく少し寒く感じる。こんな気候の方が山歩きには丁度いい。そんなにアップダウンも無く快調に進む。結構サクサク進んでいたら桃とだいぶ離れていた。桃が来るのを待って展望の良い場所で休憩。

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エナジーバーで補給。

 

今日初めて馬で物資を運んでるのを見た。

道路なんて無いので登山道を馬で運ぶ、まだまだこのスタイルがここでは当たり前。

登山道には沢山のう○こが落ちているので踏まないようにするのが大変だ。

 

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当初の目的地パープルレイクに2時ごろ到着。

少し長めの休憩をしてコーヒーなんかも呑んでいると、先程の馬を引き連れたカウボーイがまた通った。オレンジいるかい?と聞かれてもちろん!と受け取る。

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立派なオレンジを4つもくれた。山でのフルーツなんて最高。

 

ここからフィッシュクリークまでの道を確認。

一旦登って、バージニアレイクを通り、また下る。

頑張れば暗くなるまでには目的地かその近くまでは行けるだろうと話した矢先、看板にフィッシュクリークはこっち。と書いてあるのを見つける。

ん?バージニアレイク行かなくても行けるの?

とマップを確認。確かにフィッシュクリークトレイルと書いてある道がある。

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こっちに進むとJMTは外れるが、川沿いの道で、登りも無さそうだし、最終的に合流出来る。

川沿いならあわよくば竿も振れそうだし、何より登らなくていいのでは?

JMTは外れるが、釣りが出来るかも…これは…

相談し、バージニアレイクは見れないし少し遠回りになるが下りっぽいし、川沿いも気持ちいいかもだしこっちに進もう!と決めた。

 

これが最悪の事態になるとは…

 

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最初は快調に下りだった。

長めのスイッチバックを下りていく。

JMTよりは人が入っていないっぽく、あまり踏み固められないが、道はしっかり分かる。

川沿いまで降りると昨日出発したレッズメドウ方面とフィッシュクリーク沿いの道。との看板。

マップと携帯のGPSで確認し、目的地方面に進んだ。

 

ここからが大変だった…

川沿いといえど、川の側には大量の藪。

その向こうには綺麗な川が流れているが、大量の藪には大量の蚊がセットなのだ。

カナダのアルゴンキンが1番蚊が凄かったと思っていたが、ここも同じくらいの蚊が襲ってくる。

釣りなんて出来そうも無いのでネットを被り、早く目的地に着いて落ち着こうと黙々と歩く。

しかし人がほとんど通らないのか、若干の踏み跡があるくらいで道が分かりづらい。

少し立ち止まれば蚊に囲まれるし、常に周りに何十匹も飛んでいる。虫除けもしたのにだ。

わずかな踏み跡を頼りに進む。

方向的には合っているし、一本道なので蚊がウザすぎてイライラしていてあまりマップを確認していなかった。

踏み跡を信じて進むと、川にぶち当たった。

渡渉は無いはずだが…携帯のGPSでマップを確認すると渡渉ポイントでは無い。ナショジオの紙のマップでもまだそんな場所では無い。

位置も少しずれている。

道間違ったかな…と思いながらGPSを頼りに修正するも道らしき道は無い。

先は完全に森の中だ。2人共に焦りが募る。

これはロストしたのか…

しばらく森の中を彷徨う。人気もないし、完全な森だし、蚊も相変わらず凄い。

とりあえずGPSの方向に進もうとするとどんどん森の奥深くに入ってしまい、鬱蒼とした森の中に2人だけだ。後2時間もしたら真っ暗になってしまう。

来た道を戻るか、下手したらビバークか…

桃はもう半泣きになっていた。

僕もイライラしながら森を掻き分けていたら、草の下の空洞に足を突っ込み、バランスを崩して思いっきりこけてしまった。桃が叫んだ。

幸い怪我は無かったが、ここで捻挫とか最悪骨折とかしてたらJMTの旅は終了してたと思う。

下手をしたら終了してたのはJMTだけじゃ無いかもしれない。

 

1時間程、行ったり来たりを繰り返したが、最初の謎だった渡渉ポイントにとりあえず戻った。

マップとは違うが、とりあえず反対側を確認してみようとサンダルに履き替え、中々の流れの川を渡り確認しに行くと、踏み跡がある!

紙のマップともGPSとも違うが確かに道がある!

まだ進まなければならないが、道がある事に安堵した。

最悪食料もテントも担いでるので、今日くらいどうにかなるかとは思ったが、本当に良かった…

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道を見つけた記念に撮影したら、本当に迷ったかと思って怖かったと怒られた写真。

 

2人で急いで渡渉し、その道を歩く。

ずれていたマップがだんだんと合ってきた。

歩くべきルートに戻れた…!

後は信じて進むだけだ、暗くなる直前、やっと看板を発見した。JMT→と書いてある!

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やったー!2人で抱き合って喜んだ。

すぐ近くにあるキャンプグラウンドを発見して、速攻で設営、食事。

焚き火と温かい飲み物で反省会をした。

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気持ちは半分遭難だった。

マップと違うのがそもそも信じられないが、それを過信しすぎてもいけないと思った。

最初に渡渉して確認すればここまでは時間がかからなかったし、焦らなかっただろう。

2人共怪我も無く、元のルートに戻れて良かった。

夕食時、昼間貰ったオレンジを食べながら少し泣きそうになった。

こけた時にマグカップがベコベコになった。

これは戒めとしてそのまま使おう。

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変なルート変更も慣れない場所では気をつけよう。

情報収集も大事だ。

 

明日からまた歩けるのだ。

本当に良かった。

 

8月11日 day10 フィッシュクリーク〜ミリオンバレーリゾート(予定)

 

朝7時過ぎ起床。

昨日は大変だったが、いつもと変わらぬ朝を迎えれた。仕切り直しだ。

 

前日の寒さが応えたので、今日は昨日より対策をして寝たおかげがまだマシだった。

それでも朝方には寒さで目が覚める。

中々寝袋から出れぬままいつも通り遅めにテントから出る。

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フライシートが結露してないと思ったら凍って霜になっていた。

夜プラティパスに少し残っていた水も凍っている。

氷点下まで下がったのか…

 

今日は朝からマウンテンハウスのフリーズドライを食べてしまった。朝からしっかり食べたい気分だったのだ。まぁまだ沢山あるしいいだろうと思っていた。レッズメドウで沢山買ったし。(後々補給が必要だと知る)

 

太陽の力を借りて行動開始。

やっと動けるくらい暖かくなる。

大嫌いな蚊と同じ習性だな。

とか考えながら身支度。

 

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9時過ぎに出発。

さっそく今日の山場、シルバーパス越えだ。

昨日なんとかパス下のフィッシュクリークまでは来ているのでここからは一気に登って下る予定。

少し高度を上げ森を抜けると、綺麗な川沿いのサイトが出てきた、こんな感じのサイトに泊まりたいのに、時間だったり場所だったりのタイミングが合わず中々泊まれない…お魚さんもいる…

 

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まぁ、今気にしてもしょうがないので、どんどん登る。昨日の疲れが尾を引いているのか、エナジー不足か、はたまたこれは高山病か?中々力が出ない。いつも通り亀の歩みで色々な人に抜かれながら上を目指す。

3000メートルを越えるとやっと森林限界なのか岩だらけの景色になってきた。雪解けの湖があって凄く綺麗。なんとか頂上直下まで来てエナジー休憩。

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雪渓も少しあった。

登り始めると、あっという間に反対側が見えた。

いつもここまでが長いのだが拍子抜け。

今日はサクッとパス越えしてしまった。

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大体パス付近はお鉢状になっていて、下から見てると偽パスが多いのだ。あそこだなと思って登り切ると、まだ同じような景色が広がる。

そりゃあもちろん綺麗なんだけどね!

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今日の大一番を終え、後は下るだけだ。

ルートから少しずれるがトーマスエジソンレイクという湖の反対側にリサプライ出来るリゾートがあり、そこを目指す予定。

1日、2便、朝と夕方にフェリーで連れてってくれる。目指すは夕方4時45分の便だ。

湖沿いを歩いても行けるが歩くと遠いから歩きたくは無い。

ダメだったら今日はその辺でステイかなと考えていた。まぁ、無理でもリサプライしたばっかだし大丈夫じゃないかな。とか思いながら下り始める。

しばらく進み休憩時に残りの距離と時間を確認。

今のスピードだとギリギリだね。と話すと桃のスピードが俄然上がった。

いつもは自分の方が下りは早いのだがどんどん離されていく。

そもそもリサプライしたばかりだし、周りの景色は素晴らしいし、いい釣り場っぽいのも沢山あるし、下りで足痛いし。とか色々思いながらマイペースに下るが、桃はどんどん進む。何をそんなに急いでいるのか…明日でもいいんじゃないか…最悪補給したばかりだしリサプライ必要?と若干イライラし始める自分。

途中、何故そんなに今日のリサプライに間に合わせようとしてるのか聞くと、今日しとかないと食料が足りないという。確かに次リサプライ出来るのは約10日後のオニオンバレーだが。

んな馬鹿な。レッズメドウでもしたばっかじゃん。

と思うが、今は確認している時間は無い。

それならばと早足でエジソンレイクを目指す。残り15分で1.5キロだ。

普段の2人ではありえないスピードでフェリー乗り場を目指す。

結果は…間に合わなかった…

出航したばかりのフェリーのお尻は見えていたが、わずかに間に合わなかった。

 

ここでしばらく放心状態で佇む。

近くにいた御夫婦に話しかけられ、2人は明日朝向かうからのんびりここにステイするようだ。

残念ね。食料無いの?と聞かれたが食料はある。

作戦会議をして、とりあえず明日の朝向かう事にした。今日はステイだ。

サイトの雰囲気も悪くないし、競歩ばりに早足でヘロヘロで今日はもう動きたくなかった。

食料はあるが改めてお互いのバレルから取り出して確認すると、10日分には全く足りなかった。

だいたい途中のミューアトレイルランチという所にリサプライを送る人が多いのだが、僕らは送っていないのだ。理由は送り方大変そうだったから。そのツケがここで来ていた。

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設営後、色々広げる我々。

 

のんびり歩いてたり、イライラしたりしてごめんなさい奥さん。

そもそもちゃんと残りの食材を確認していない自分ってゆうね。食料計画は大事ですよ。皆さん。

 

今日頑張って行っておければ、のんびりリサプライして、明日朝から仕切り直せたのでした。

明日は朝からフェリーに乗って買い出しとなりました。工程が遅れる分は何処かで取り戻さなければ。

 

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予定通りいかない事も、成長への糧だと思いながら明日へ備えます。